3次元眼底像撮影装置のおはなし:眼底写真、網膜断層像などを撮ります
カラー眼底写真撮影 |
眼球の奥には“網膜(もうまく)” があり、カメラの“フィルム” の様な働きをします。 網膜の中央は“黄斑部(おうはんぶ)”と呼び、視力にとって 大切な働きをします。 カラー眼底写真は、黄斑部の周囲を撮影します。 |
光干渉式網膜断層撮影(Optical Coherence Tomography:OCT) |
模式図のように網膜の中では細胞や神経線維が横に配列して“層” を つくっています。 網膜の厚さは約0.2mm(左図:黄色の矢印)、その中に細胞や 神経線維の層が10層あります。 OCTでは網膜の層の様子をみることができます。 正常の黄斑部をOCTでみると中央がゆるやかに陥凹してます。 |
視野のおはなし:動的量的視野計でおはなしします
動的量的視野計(ゴールドマン視野計) |
ゴールドマン視野計で検査した右目の視野です。 明るさと大きさの異なるさまざまな“視標”を使って視野を 検査します。 一つの“視標”で検査した視野は一つの“輪”になります。 最も大きな“輪”は、一番大きく明るい視標の見える範囲です。 最も小さな“輪”は、一番小さく暗い指標の見える範囲です。 小さく暗い視標がみえるほど“良い見え方”です。 一番内側の“輪”の中では小さく暗い視標から大きく明るい視標まで 見ることができます。 一番外側の“輪”の付近では大きく明るい指標しか見えません。 視野検査の結果はその日の目の調子、目の疲れ、体調に 左右されることがあります。 |
眼圧のおはなし
眼圧は非接触眼圧計ではかります |
眼球の硬さ(眼圧)を測ります。 眼球は球体で中には様々な組織がありますが、水晶体の根元の 茶色く膨らんだ部分を毛様体(もうようたい)と呼びます。 毛様体で房水(ぼうすい:体液の一種)が産生され眼内に入ります。 茶目(虹彩:こうさい)と黒目(角膜:かくまく)の間のすき間を 隅角(ぐうかく)と呼び 房水は隅角から眼外に流れ出ます。 房水の流入と流出のバランスで眼球の硬さは一定に調整され 正常眼圧が維持されます。 正常眼圧は一般に21mmHg(ミリメートル水銀柱)以下です。 緑内障では多くの場合、房水の流出障害により眼圧が上がり、 視神経乳頭で神経線維が障害されて視力や視野が損なわれます。 |
白内障のおはなし
画像は目の断面図です。目の中には”水晶体”という器官があって、 カメラのレンズのような働きをします。 光は妨げられることなく水晶体を 通過し、網膜に焦点を結びます。網膜はフィルムのような働きをします。 見る対象が遠くにあるか近くにあるかによって、水晶体は自在に 厚みをかえるので、対象との距離が変わっても網膜に焦点を 合わせることができます。 |
白内障では、主に加齢により水晶体がゆっくりと混濁していきます。 混濁が軽いうちは視力の低下も軽いですが、混濁が徐々に強くなると目の中で光は弱まり、ものが見づらくなったり、まぶしさを感じたりします。 |
白内障の手術によって、水晶体の混濁はとれます。 それだけでは網膜に焦点を結びませんが、眼内レンズによって網膜に焦点を合わせることができます。 眼内レンズは、水晶体のように厚みを変えることはできません。 単焦点眼内レンズでは、遠くを見る時または近くを見る時に、必要に応じて眼鏡をかけることになります。 |
白内障手術の手順 |
1 : 手術は基本的に局所麻酔です。最初に角膜(くろめ)と強膜(しろめの奥の膜)の境目を短く切開します。 水晶体の混濁は、”嚢:のう”という袋のようなもので包まれて います。 |
2 : ”囊”の前面の一部を切り取ります。画像は断面図ですが、実際は円形に切り取ります。 切り取った部分から水晶体の混濁が露出します。 この処置では、粘弾性物質という薬剤を眼の中にいれて操作しやすい環境をつくります。 |
3 : 超音波ハンドピースを目の中にいれて混濁を超音波で 砕きながら取り除きます。 混濁だけを取り除くようにして、囊は意図的に残します。 |
4 : 残した囊の中に、眼内レンズを挿入します。 眼内レンズには、単焦点眼内レンズ、多焦点眼内レンズ、 乱視矯正眼内レンズなどがあります。 |